やっと春になりましたね。この二ヶ月間私は毎日をやり過ごすことに必死になっていました。

一月の試験が終わって間も無く、大学が春休みの間は何をしようかなと考えていた矢先に、また動悸がはじまりました。引っ越しで環境を変えた甲斐なく、今年も冬季うつのような状態になってしまったということです。

第一には気持ちが不安定になるのですが、それに加えて熱もないのに寒気がするほど体が冷えてだるくて動けなくなったり、体が冷えるのですぐ膀胱炎になったり、自炊をするのも億劫な上、食欲は増すので食費が激増したりします。

仕方がないので少し落ち着いた時にまた病院を探して、行って、もらった薬を飲んで出勤(概念)し、仕事してました。仕事はなんとかできるけど、それ以外にできることはほぼありません。当然勉強することもままならない、というか、何かしなければと思って悪化することを一番避けたいので、例年のごとく私は全てを放棄しました。何もしなくても百点。

しかし、私は気になっていたことがありました。前期の授業で出てきた「エニグマ」のことです。第二次世界大戦でドイツが用いた最強の暗号…戦後何十年も秘匿されたその暗号を打ち破った事実…それに関わった数学者の運命…。教科書にはサラッと紹介されていただけだけど、こんなのあまりにも気になりすぎますよね。また、今期の授業ではRSA暗号の計算方法まで知って新しい驚きがあったので、大学の休み中は何かしら暗号について調べたいなと思っていました。

初めは技術書も読もうと思っていたのですが、無理だったので映画から入って少しずつ本を読みました。

  • イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
    • 脚色は多いのだと思いますが、すごく良くできていて楽しめました。
    • 普段あまり映画を見ないので、同性愛・発達障害・女性差別の問題などを意識的にかつ上手く組み込まれていて感心してしまいました。
  • エニグマ アラン・チューリング伝
    • チューリングのパーソナリティについて興味を持ったので映画の原作でもある本作を読みました。といいつつ、下世話な人間なので本当は初恋の話もっと聞かせて?って思って読みました。
    • めちゃくちゃが長くて読みにくいので上巻で一回ギブアップしましたが、多分彼の人生のことを知りたいのならこの本が一番詳しいのだと思います。
  • チューリング 情報時代のパイオニア
    • 上記の方を上巻でギブアップしてしまったので、こちらも読みました。コンパクトにまとまっていて読みやすかった。
  • 暗号解読
    • こんなに面白い本があるのになんで誰も教えてくれなかったんですか?
    • RSA暗号成立の歴史についても書かれていて、RSA暗号使っている人(≒全人類)読むべきでは?と思うくらい楽しめました。
    • 1章の女王メアリーの暗号についてはちょうどつい最近ニュースが出ていてこれも面白かったです。

見ての通り、二ヶ月の間、私はチューリングの追っかけを楽しんでいたというわけです。読書を通して、いつかブレッチリー・パークへも行ってみたいと思うようになりました。また、エニグマについての本にもチラチラと出てきますが、暗号の解読にはたくさんの女性たちも関わっていた史実があり、コード・ガールズ 日独の暗号を解き明かした女性たちも読みたいと思っています。

読書自体も楽しめたのですが、大学の授業をきっかけに興味を広げて楽しめている、ということ自体にも嬉しさを感じました。昔大学生だった頃は学校のお勉強の延長線だと思い込んでいた節があって、あまりこういう楽しみ方をしなかったような記憶があります。大人になってから大学行くの、良いですね。

また、チューリングのことを調べていたらゆるコンピューター科学ラジオなるyoutubeにたどり着きました。今年のうつ期間は、このチャンネルとその姉妹番組であるゆる言語学ラジオに救われたと言っても過言です。何もできない多くの時間はこれらのチャンネルを聴きながらマイクラして過ごしました。普段は音声コンテンツが好きで、youtubeは全く見ないので、音声だけでも聴けるようにしてくださっていたのが幸いでした。いい時代だ。

しんどいうつ期間でしたが、楽しみを見つけられてよかったです。しかしそろそろいい加減Webの勉強しないといけないのでまたぼちぼちやっていこうかなと思っています。